いま、会いにゆきます スタンダード・エディション
出演:
東宝
発売日 2005-06-24
梅雨が訪れたある日、6歳の息子と暮らす巧(中村獅童)の前に、病気で死んだ妻・澪(竹内結子)が現われた。澪は死ぬ前に、1年後の雨の季節に戻ってくると言い残していたのだった。巧たちは記憶を持たない彼女を迎え入れ、再び家族としての生活を過ごすのだが…。
市川拓司の同名ベストセラー小説を映画化したラブストーリー。ファンタジーの衣を纏ってはいるものの、そこで強く訴えられているのは家族愛そのものであり、その点をきちんと描いているあたりがもっとも好感の持てる部分である。これが映画デビューの土井裕泰監督は、テレビ出身ということもあってか、映画的活写力に幾分欠けているきらいはあるものの、今回の題材は叙情的資質とマッチしていることもあって、さほど不満を抱かずに画面に没頭できる。透明感あふれるキャストそれぞれの好演も認めていい。(的田也寸志)
朝の露のような作品 2006-07-19
一つの作品としては構成がしっかりしているほうであろう。この作品にはある家族に関するものだが(内容の詳細はあえて述べない)全く毒がはいっていない。この物語で語られる人々のほとんどが穏やかでまた優しく、視聴者は好めばその世界に浸ることが出来る。映画に棘や現実世界の問題の醜い形での投影を求めるものはこれを不服とするだろう。私は映画に最終的には心地よさを求めるから、この作品を評価する。ただ問題点はいくつかありその関係上最高とはしなかった。例えば、この作品には脳の病気にかかった者の描写が出てくるが、その描写の一つが、結局病気は気の病で愛があれば(やる気があれば)それに打ち克つことが出来るのだという考えを暗に指し示しているようにみえるところがあり、これは真偽はともかく視聴者の中のこの概念を助長させ、患者に苦痛を与える可能性があるという点で好ましくない。
最後に。本当に泣くのが目的なら映画をその道具に使用すべきではない。泣くか泣かないかは例え同じ人が見ても、その人が見る時間、場所、その人の精神状態などにより成否は分かれる。万人誰もがいつでも涙を催す作品などない。